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UVC紫外線を使った各種除菌器のご紹介

紫外線殺菌の技術開発

紫外線の特徴

一般的に波長400nm以下の光を紫外線と呼びます。太陽光にも一部含まれている紫外線に殺菌効果があることは古くから知られています。波長によって効果・用途が異なり、以下のように分類されることが多いです。

・UV-A(315~400nm)
近紫外とも呼ばれます。太陽光に含まれる紫外線の90%以上を占め、長波長側はガラスを透過します。工業的には、センシング、リソグラフィ、樹脂硬化、印刷技術に使われています。

・UV-B(280~315nm)
ガラスで吸収される波長帯であり、屋外での日焼けの原因となります。UV-Bも樹脂硬化に使われます。

・UV-C(200~280nm)
殺菌やウイルス不活化に最も効果のある波長帯域であり、高効率なLED光源の開発などが進められています。

紫外線による殺菌・ウイルス不活化技術の発展

新型コロナウイルスの世界的な流行に伴い、紫外線による殺菌・ウイルス不活化装置に再び注目が集まっています。紫外線殺菌技術は重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)が流行した際にも注目を集めました。消毒液散布と比べると、紫外線殺菌は実施後に有害な化学物質を残さず、また基本的に人が細かい作業をする必要が無いことが大きな利点となります。一方、紫外線自体は人体に有害なため、防護メガネの着用や無人の状態で散布する必要があり、無人でのリモート下での照射ロボットも登場しています。また、照射時に影になる部分が十分殺菌できない可能性が残ります。

紫外線照射ロボットを使った殺菌技術

医療機関を中心に紫外線UVCを放射するロボットが日本にも普及し始めました。新型コロナのみならず、MRSAのような「薬剤耐性菌」に対しても有効です。

海外では公共の施設や地下鉄、エスカレーターの手すりを消毒するタイプやエレベーター内を常時殺菌する製品も開発が盛んです。次世代の感染症対策が紫外線UVCの登場によりパラダイムシフトを迎えることが期待されています。

紫外線殺菌の特徴

殺菌には熱や化学薬品など様々な方法がありますが、紫外線殺菌は紫外線LEDを使った光による殺菌です。
他の殺菌方法には無い特徴を持っており、多くの場面・用途に利用されています。

メリットデメリット
・薬剤を使わないため、使用後の拭き取りや除去が不要
・塩素殺菌の効かない耐塩素性微生物にも効果がある
・紫外線殺菌に対する耐性菌を生まない
・非接触
・人体や生物への健康被害(急性/慢性の紫外線傷害)
・樹脂に代表される有機材料などへのダメージ
・光が届かない場所、影になる場所は殺菌できない

紫外線殺菌の効果は、光の強さ(照度W)と、
光を当てる時間(照射時間S)の積算(積算光量または紫外線照射量mJ/cm2)で決まります。

光を当て続けるほど積算光量は増加し殺菌効果が高くなります。
反対に光を当てる時間が短いと積算光量は低下し殺菌効果が低下するため、
短時間で殺菌するには強力な紫外線が必要になります。

理美容師法では消毒方法:紫外線消毒器内の紫外線灯より85μw/cm2以上の紫外線を連続して、20分間以上照射する。と定められています。

例:菌Aを99.99%殺菌するために、40mJ/cm2の紫外線照射量が必要な場合

不活化技術

紫外線殺菌の効果

紫外線を照射するだけで確実な殺菌効果を実現する紫外線殺菌は、人の体内で感染症や健康被害を引き起こす様々な病原性微生物に有効です。
この効果は、新型コロナウイルスを含む様々な細菌やウイルスに有効であり、2020年になって様々な大学、研究機関、企業によって日々探究されています。

紫外線殺菌対象となる代表的な微生物


微生物の大きさ
種類
代表例


ウイルス
コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ノロウイルス
細菌
大腸菌、レジオネラ菌、サルモネラ菌
真菌
黒カビ、白カビ、白癬菌
原虫
クリプトスポリジウム、ジアルジア

紫外線照射器

理容所・美容所での器具の消毒方法について

血液による感染等を未然に防ぐため、カミソリやはさみ等の器具は消毒を行う必要があり、理容師法及び美容師法で器具の消毒方法については、細かく定められています。

紫外線照射による消毒

消毒方法:紫外線消毒器内の紫外線灯より85μw/cm2以上の紫外線を連続して、20分間以上照射する。
2,000~3,000時間(寿命時間)で紫外線灯の取替えが必要。紫外線が当たらない部分には効果がないため、陰になる部分は位置、角度を変えて新たに照射する。(複雑な構造のものは適さない。)

光生物学的安全性

LED及びUVランプ等を利用した電気製品の普及に伴い、光の放射による人体(目や皮膚)への影響を評価する重要性が高まって来ています。この光生物学的安全性の確認として、国際規格ではIEC62471、日本ではJIS C 7550が規格化されています。

CDC(米国疾病予防管理センター)の下部組織である米国労働安全衛生研究所によるとUVCは1日の紫外線量を30J/cm2以下と定めています。

環境保護への取り組み

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